日記

おまじない

僕は影響を受けやすい人間なため、誰かに言われたことを
長い間ずっと気にしてしまい、それが自分のルールのように
なってしまうことがあります。

たとえば、幼少の頃に母親に、

「右肩上がりの文字を書く人は幸せになって、
 右肩下がりの文字を書く人は不幸せになるのよ。」

と言われ、そのことがとても恐ろしくて頭からはなれず、
37歳の今日に至るまで、手書きの文字はもちろんこと、
何かを横一列に並べる時でさえ、ほんの少しでも右側のほうが
高くなるように設定しなければ気が済まないのです。

また、幼い頃に読んだ本の中に、

「朝起きてズボンを履く時に、
 右足から履くと、その日は良い一日となる。」

という文章があって、そのことが呪いのように僕を怖がらせ、
37歳の今日に至るまで、ズボンは右足から履かないと
一日中違和感を感じたまま過ごすことになります。
あやまって左足から履いたことに気が付いた時には、
脱いでもう一度右足から履き直すほどです。

我ながら「ずいぶん疲れる性格だなあ」と思うのですが、
それが逆に心の平安を保つために役立っていることに
最近気が付きました。

つまり、憂鬱になったり、心が優れない時というのは
誰しもあるものですが、そういった時に、右肩上がりで文字を
書いたり、右足からズボンを履いたりするだけで心が整い、
気持ちをリセットすることができます。

「これをやったのだから良いことが起こる。」

という気持ちになれます。
そういう気持ちになると、行動が変わり、結果も変わります。

ほんのくだらないおまじないのようなものなのですが、
短時間で心を整えるのにとても便利なのです。

心を整えるおまじないの内容は何でも良いのだと思います。

極端な話、「右肩下がりの文字を書いたら幸せになれる。」
というように、僕が聞いたのと逆の内容であったとしても、
自分で決めて、それを信じることができるのなら、
それはとても有効なおまじないになるはずです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。