「時は金なり」
という言葉の通り、時間は、
価値を生み出すために重要な要素のひとつです。
仕事でも何でも、この世の価値は、おおよそ、「お金と時間」
という二つの要素の融合によって生み出されています。
たとえば、資本が少ない場合、良い道具を揃えたり、
人材や作業環境にお金をかけることができません。
しかし、時間をたくさん使うことで、
価値のあるものを生み出すことができます。
そして、たとえばその価値を「10」としましょう。
資本が多い場合、道具や人、場所などにお金を使うことができる
ため、時間を短縮することができます。
資本が少ない場合に比べて、同じ「10」の価値を、
短時間で生み出すことができるということになります。
このように考えてみますと、
「時間はお金で買える」
とも言うことができるでしょう。
たとえば、完成まで50年かかる大仕事があるとします。
自分の今の年齢は80歳だとしましょう。
130歳まで生きられる可能性は限りなく少ないのですから、
このままだと仕事の完成を見ることなく死に至ります。
しかし、お金がたくさんあって、たくさんの人を雇ったり、
仕事完遂のためのコストを惜しげもなくかけることができ、
1年で大仕事は成し遂げられたとしたらどうでしょう。
130歳まで生きたのと同じ意味合いを持ってきます。
つまり、時間(寿命)をお金で買えたということになります。
それでは、お金も時間もたくさんある場合、
100%良い仕事を生み出すことができるでしょうか。
残念ながらそれはできません。
そこに、「情熱」がなければ何も始まらないのです。
そして、この「情熱」だけは、お金や時間で埋め合わせたり、
補強し合ったりすることはできず、自らの心の中に自然に
生まれるまで待つしかなく、また、もし生まれたとしても、
その火が消えないように維持し続けていくのも至難の業です。