日記

すべての作品は不完全である

僕は読書が大好きですが、一冊の本を読んで、
その内容を鵜呑みにしてしまうのは危険だと思っています。

一本の映画が、監督一人のイメージを具現化したものであるのと
同じように、一冊の本も、たった一人の作者の頭の中身を
活字にしたものに過ぎません。

もちろん映画も本も、代表者である監督や著者以外の人
(カメラマンやプロデューサー、編集者など)の影響が
ふんだんに反映されてはいますが、最終的にはみんな、
その代表者のイメージを具現化することに力を結集させます。

代表者の頭の中にある幻想を、現実のものにするために
多くの人が参加する壮大なプロジェクトという感じでしょうか。

それゆえに、映画や本は、たくさんの人が参加しているにも
関わらず、最終的には個人的な側面を持っているものです。

そして、観客や読者は、作品を通して、
その監督や著者と一対一で対話をしているようなものです。

100%正しい人間は存在しないのですから、
100%正しい作品というのもまた存在しません。

活字の魔力によって、本に書かれてあることはすべて正しいと
思ってしまいがちですが、案外不完全で、曖昧で、
間違っていることさえあるものです。

不完全で曖昧な人間を愛するように、
不完全さも曖昧さもすべて含めてその作品の愛すべき点です。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。