どんなことでもそうですが、特に仕事においては、
「はじめ」と「おしまい」が苦しいものです。
たとえば、腕立て伏せを例に取ってみましょう。
腕立て伏せを100回やると決めました。
やり始めの時には、
「あー、100回まで長いな・・・苦しいな。」
と思うでしょう。
そして、10回を越えたあたりからだんだん普通になってきて、
何か得体の知れない大きなものの流れに身を任せるようにして、
どんどん回数が進むでしょう。
何とかがんばってもうすぐ100回まで到達しそうです。
すると、98回、99回、100回目の腕立て伏せの速度が、
自然に遅くなってしまうことに気が付くでしょう。
苦しくてたまらないからこうなります。
不思議なことに、たとえば100回ではなく、110回やると決めた
とすると、98回、99回、100回目は、普通の速度で進むでしょう。
設定した「おしまい」の直近がとても苦しくなるのです。
つまり、「苦しさ」を決めているのは、身体的なものではなく、
精神的なものであるということになりますね。
こうして見てみますと、仕事の苦しさを軽減するためには、
「気が付いたらもう仕事をしていた」
「気が付いたらもう仕事が終わっていた」
という精神状態を持つことができれば良い
ということになります。
「はじめ」と「おしまい」は確かにあるのですが、
そのことを意識せずに、得体の知れない大きなものに身を任せて
仕事ができると良いですね。