お仕事は、ものを作る人と、ものを売る人の
2種類の人たちによって成り立っていますね。
そして、ものを作る人はものを売るのが上手ではないし、
ものを売る人はものを作ることが上手ではありません。
お仕事というのは、「価値をお金に変換すること」ですので、
お金に変換する部分である「売る」ということが
実はもっとも大事な部分です。
ある一つのお仕事によって得られたお金を分配する時に、
作った人よりも、売った人が多く受け取るのは
当然のことなのですね。
ものを作る人の中にたまに、「これは自分が一人で作ったのに
あいつ(売る人)がたくさんのお金を取るなんてずるい。」
などという人がいますが、大きな思い違いです。
「誰が作ったか」ということが注目されることはあっても、
「誰が売ったか」ということが注目されることはあまりない
のですから、そのような視点からも、ものを売る人のほうが
多くの対価を得ても、それで初めて平等ということになります。
ものを作る人というのは、自らの小さな世界の中に全精力を
注ぎ込んで濃密な何かをこしらえます。
ものを売る人というのは、世界中を見渡して、そういう濃密な
もの、価値のあるものを探し出して、それに値段を付け、
広く宣伝し、買いたい人を見つけて売るのが仕事です。
ものを作ることとものを売ること、そのどちらもやろうとすると
結局中途半端になってしまって、どちらも上手くいきません。