日記

アートとビジネスについて

もう10年ほど前の話になりますが、僕が音楽制作の会社を
やろうとした時に、同じくITの会社をやろうとしていた弟に、

「ともちゃん(僕の名前)、アートはビジネスにするのが
 一番難しいよ。」

と言われました。

芸術をビジネスにするのが難しいのは、
ビジネスには「理性」が必要で「感性」は邪魔になり、
芸術には「感性」が必要で「理性」が邪魔になるからであり、
その両方のバランスを取るのがとても難しいからです。

まず、芸術には決まった値段がありません。

絵の描かれた紙を見せて、

「これは1万円です。」

と言ってもいいですし、

「これは1000万円です。」

と言っても、どちらも正解なのです。

(多くの場合、

「無料でもいらない。」

と言われてしまうことが多いですが・・・)

商売の第一の段階である「値付け」からしてこの混乱ぶりなの
ですから、その他の様々なことに至っての困難の連続は、
容易にご想像いただけると思います。

需給によって値段が変動する「オークション形式」が
一番分かりやすいのですが、仕事をする側としては、
値段の上下が激しければ売り上げの予測も立てられませんし、
それを基にしたビジネスの発展も望めません。

そこで、まずは作品に、思い切って自分自身で値段を付けて、
お店に並べてみることから始めます。

紙に絵を描いて、「¥10,000」という値札を付けるのです。

その絵が売れた場合、次の展開として、

◆同じスケールの作品をたくさん作って、同じ値段で売る

ということが考えられます。

また、その絵が売れなかった場合、

◆値段を下げる

◆その値段で買ってくれるような人を探す

という二つの方法があります。

「値段を下げる」というのは、頭を使わずにできますし、
即効性がありますが、長い目で見ると得策ではないと思います。

「その値段で買ってくれるような人を探す」というのは、
自分のお客さんについてしっかり考え、何度も検証し、
ようやく成果を得られるようなもので、とても疲労しますが、
ビジネスの本来の姿勢であえると言えるでしょう。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。