日記

コピーコントロール

ソニーが、中古ゲームの使用を阻止する技術を開発したようで、
この技術を使うと、ゲームは個人アカウントと完全に紐付けされ
他のユーザーは使用することができなくなります。

つまり、ゲームをする時に銀行口座の暗証番号のようなものを
入力しなければ起動することができないため、たとえば、
中古屋さんで安く買ったゲームなどはプレイできない
ということになります。

この技術が本格導入されてしまうと、中古市場の崩壊はおろか、
子供たちのコミュニケーションのひとつでもあった
「ゲームソフトの貸し借り」も全くできなくなってしまいます。

僕は今はゲームを全くやりませんが、小学生の頃はファミコン
全盛の時代で、スーパーマリオやドラクエなどに夢中になった
ものでした。(個人的に好きな作品は、スペランカー、
影の伝説、新・鬼が島、ファミコン探偵倶楽部・・・
などとタイトルを挙げているだけで少年時代の懐かしさに、
胸がいっぱいになるような気持ちです。)

その当時のゲームソフトは、価格が5千円程度で、
小学生にとってはかなりの高額でしたので、
欲しいソフトを次々と買うようなことはできません。
そのため、買ったソフトで遊び終わったらそのソフトは、
他の人のソフトと貸し借りするための「通貨」の役割を
担うことになります。

貸し借りですので当然のことながらトラブルが付きまといます。

「あいつなかなか返してくれない。」

だとか、

「自分のソフトは新作で人気があるから、そんな古いソフトとは
 交換できない。古いソフト2本となら交換してあげる。」

とか、

「ごめん、壊しちゃった。代わりにこのソフトあげるから
 どうか許してください。」

などと、まるで大人のトレードのような世界が
繰り広げられていたものです。

そういう子供同士のコミュニケーションがこの新技術により
一切損なわれてしまうことでしょう。

人と人とのコミュニケーションを排するような技術や戦略が
どのような末路をたどるかは、音楽業界におけるCCCD技術
(コピーコントロールCD)によって証明されたはずなのですが。

著作物を技術的な方法で閉じ込めることには無理があります。
「技術」である以上必ず抜け道はありますし、
むしろ活性化とは逆の、衰退の道をたどることになるでしょう。

こういった技術の開発に力を注ぐのではなく、
もっとコンテンツの中身に力を注ぎ、

「技術的にはコピーできるかもしれないけれど私はしない。
 なぜならこの作品がとても好きだから。
 パッケージなども含め、新品を現物で保有したいから。」

とユーザーに思ってもらえるような魅力的なコンテンツ作りに
励まなければ、未来はないでしょうね。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。