日記

ドキュメンタリーの印象を引きずってしまいます

小さい頃、テレビのドキュメンタリー番組を観ていて、
心に焼き鏝を押されたように印象が強く残って
眠れなくなってしまったことがあります。

それは、幼い少女が交通事故に遭った母親の死を知らされ、

「お母さん、打ち所が悪かったんだよ」

とお医者さんに言われて、声も出せずに吐息だけで泣くような
悲しいものでした。

この場面がずっと長い間頭から離れず、
今でも(それも頻繁に)思い出します。

これまでに観た映画の中で、心に強く残ったものを挙げてみると
その中にはたくさんのドキュメンタリー映画が含まれていること
に気が付きました。

大金をかけて大がかりに制作されたCG映像の1分間よりも、
現実をそのまま撮影したドキュメンタリー映画の5秒間のほうが
いつまでもいつまでも心に残るのはいったいなぜでしょう。

しかも、何の変哲もない何気ないシーンであっても、
同じように心に強い跡を残します。

僕たちは映画を観る時、

「これは作り話である」

という前提を無意識のうちに心の防波堤にしていて、
物語の中でどんな出来事が起ころうとも、一定の安心感の中で
鑑賞しているのかもしれませんね。

ドキュメンタリー映画の中にあるのは、そういうことの一切ない
生々しい「現実」ですので、我が身と重ね合わせてしまい、
印象を引きずってしまうのでしょう。

今日の音楽

ネットワーク 2/作曲:山谷 知明

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。