日記

パソコンで創作すると

パソコンを使って創作をしていると、
ついつい数値を見ながら判断してしまいがちです。

たとえば僕が作っているのは音楽ですので音楽の話をしますと、
パソコンで音楽を作る時にはDAWというソフトを使うのですが、
このソフト上であらかじめ区切られた時間の目盛に沿って
音を置いていきます。

4分の4拍子の曲だとすると、1小節に4分音符4つ分の音の長さで
長い音や短い音を織り交ぜながら並べていきます。
その音を置くポイントが、それこそメトロノームきっかり
1拍目、2拍目・・・というふうに置かれていきます。
まるで定規の目盛上に置いていく感じですね。

しかし、実際に人間が音楽を奏でるとそんな風にはならなくて、
楽譜上は1拍目に置かれるべき音であっても、
音楽のその瞬間のエモーションによって少し前に出たり、
少し遅れたりするわけです。
1秒間の何分の1という微妙な「ズレ」になるのですが、
この「ズレ」が音楽の心地良さを生み出すことに寄与します。

また、グラフィックソフトにおいても、
たとえばある2つの異なる素材の高さを揃えたい時など、
ついつい座標の数値を見て、

「あ、揃ったな。」

などと判断してしまいがちですが、
意外にもしっくりこない時があります。

つまり、数値上は確かに揃ってはいるのですが、
感覚的には揃っていないのですね。
少しずらしたほうが揃って見えることがあります。

さらには、あるエフェクトの目盛が0~100まであるとしたら、
ついつい「50」とか「80」とか、「キリのいい数値」で設定して
しまいがちですが、これは危険です。
そこが最良のポイントであるとは限らないからです。
「47」とか「98」という数値が的確であるかもしれません。
しかし、パソコンで作業していると、
つい「キリのいい数値」で決めてしまいます。

パソコンで誰でも簡単に作品を創れる時代になりましたが、
上記のようなことがあるため、
味気ないものになってしまいがちです。

うまく使うコツとしては、

◆パソコンをアナログ感覚で操作する。
◆数値を見ずに、音を耳で判断、グラフィックを目で判断する。

ということが挙げられるでしょう。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。