日記

ボツはボツではない

音楽を作ることを仕事にしていますと、
お客さんのご要望に合わないものを作ってしまった時には
(逆にそれをお気に入りいただくこともあるのですが)
基本的には、作り直すという姿勢でいなければいけません。

音楽制作は、お客さんの漠然としたイメージ(明るくキラキラした
感じとか、男女の叶わぬ恋をテーマにした切ない曲などという
抽象的な言葉)を元に、音をあれこれと想像しながら
作っていきますので、どうしても作り手(作曲家)の主観や
特性が作品に表れてしまいます。
それがお客様のお気に召さなかった場合は、
作り直しをしなければいけません。

ハンバーガーショップのハンバーガーのように、

「商品はこれです、はい、食べてください。」

というものではなく、食べていたら厨房からシェフが出てきて

「お味はいかがですか。」

と尋ね、あまい美味しくなかった場合には(そんなことは滅多に
ありませんが)作り直してくれるレストランのようなものです。

特に音楽作品に至っては、
作品の質の他に、「好み」の問題があります。
作品の質は良いけれどあまり好みじゃない、
今回のプロジェクトには合わないということが
たくさんあります。

つまり、今回のお客さん、今回のプロジェクトにとっては
ボツであっても、作品としてはボツではない、
ということがあるのです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。