日記

メールには乗らないもの

テクノロジーが発達したおかげで、
パソコン1台で何でもできるようになりました。

絵心のある人は、イラストレーションはもちろんのこと、
3Dグラフィクスや映像作品なども1人で作れますし、
音楽も、数年前は高額なスタジオ代を払って、
何時間もかかってやっていた作業が、
自宅のパソコン1台であっという間にできるようになりました。

しかしながら、ある映画学校の先生が

「今の若い人って、何でも自分1人でやってしまう反面、
 一緒に何かを作ろう、という精神に欠けているといいますか、
 プロジェクトに対してどこか他人行儀なんですよね。」

とおっしゃっていました。

現代ではインターネットのおかげで、
昔は考えられなかったコラボレーションも可能となっています。

たとえば、数年前までは音楽を作る時には、歌手や演奏家の人に
同じ日にスタジオに集まってもらい録音したものですが、
現在ではガイドとなる音源や譜面をサーバーに上げ、
それを各々がダウンロードし、それぞれ自由な時間に
歌や演奏を録音してもらったりしています。

これによって、時間と場所の制約から自由になり、
世界中の人と一緒に作品を作る、ということが
簡単にできるようになったのです。

何とも便利な世の中になったものだと思いますが、
「メールには乗らないもの」というのがこの世にはありますね。
それが「便利さ」の陰になってあまり大切にされていません。
僕自身もそれをおろそかにしてきたと反省しています。

人と人とが同じ空間に存在し、同じ時間を共有して初めて
感じることのできる特別なもの。

それは仕事をする上で本当は一番大切なものであり、
特に作品を作る時などはそれが込められなければ、
つまらないものとなってしまうでしょう。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。