人間は誰でも自らの幸せを望んでいるものですが、
ほんの少しの幸せを感じたとたんに落ち着かなくなり、
逆に不幸せを求め始めるという驚くべき側面を持っています。
「破滅願望」と言って良いでしょうか、失敗や不運によって、
自分の人生がめちゃめちゃに破壊されてしまうことを
心の奥底で待っていることさえあるのです。
「幸せは決して長続きしない」
という言葉がありますが、幸せを長続きさせないのは、
当の本人による潜在意識が原因していることが多いですね。
おそらく、幸せになると、その幸せを味わうことよりも、
それを失う「恐怖」のほうが強く、大きくなってしまい、
それを負担と感じるようになってしまうのだと思います。
その恐怖を感じないようになるためには、
幸せである現状を捨て、不幸せにならなければいけません。
つまり、「不幸せのほうが居心地が良い」というわけです。
映画監督の黒澤明さんが、
「人間はどうして幸せになろうとしないのだろう。
不幸せのほうを自ら選んでしまう。」
というようなことを言っていますが、
人間の本性を言い当てている言葉だと思います。