日記

不幸せや破滅に惹かれる心

人間は、苦しみや困難な状況に無意識のうちに惹かれてしまい、
そこから自ら抜け出そうとしない部分を誰もが持っています。

たとえば、「残業はいやだ」と言いながら、
毎日毎日残業をしている人ってどこの会社にも必ずいますよね。
仕事をこなすことにではなく、仕事のやり方を変えることに
意識を向けてみると改善することが多いのにそれをしません。
自ら好き好んで残業をしているように見えてしまいます。

このような人がたとえば残業をしなくても良いような仕事の
ボリュームにしてもらえたとしましょう。
そうするといったいどうなるでしょうか。

しばらくの間は定時退社して「残業が無いのはいいなあ」などと
言っているでしょうが、ひと月もしないうちに、同じ少ない仕事
のボリュームなのに、再び残業するようになると僕は思います。
抱えている仕事の遂行速度が無意識のうちに遅くなり、
「残業」というものへどんどん引っ張られていきます。

つまり、どんな環境を与えられたとしても、このような人は
残業をし続け、「残業はいやだ」と言い続けるというわけです。
「残業はいやだ」という言葉を言うことで安らぎを得ていると
言っても良いでしょう。
ですので、残業が無くなったら逆に物足りなくなり、不安になり
気持ちが不安定になってしまうのです。

「破滅型の人間」というのがいますが、これもまったく同じで、
破滅を嫌がっているのではなく、むしろ好んでいます。
周囲が何とかしてあげたいと思っていろいろ手を尽くしても、
本人が「破滅が好き」なのだから手に負えません。

「失恋依存症」の女子もまた同じで、上手くいく恋よりも、
失恋して泣いたり、修羅場を演じることに喜びを見出します。

人間は、幸せを求める生き物である一方、苦しみや不幸、破滅を
心のどこかで追い求める性質も持っているのです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。