日記

人間恐怖症

僕は、自分が「人間」なのに、「人間」がとても苦手です。
「人間恐怖症」と言ってもいいかもしれません。
まず、人との間に発生する「沈黙」に極度の恐怖を感じます。
電話での沈黙はもちろんのこと、
面と向かって話している時にも、
沈黙を避けるためにひたすら喋り捲ります。
ほんの少しでも沈黙が訪れて、
相手が困ったような顔を一瞬でもしてしまったら、
もう永遠に修復しえない「傷」ができてしまったように感じて
ひどく絶望します。
常に目の前にいる人を楽しませていないと安心できません。
人は、こんな僕のことを「人付き合いが上手い」だとか、
「誰とでも仲良くできてうらやましい」などと言うけれど、
『八方美人』・・・
この言葉は決して、
人付き合いが上手い人のことを指していう言葉ではなく、
むしろ、「人付き合いが下手な人のこと」を指す言葉だと
思っています。
喫茶店やレストランで、
隣のテーブルがやけに近いところがありますが、
あれも苦痛です。
せっかくの食事ものどを通りません。
お客さんの少ないお店には恐ろしくて入ることもできません。
店員さんが近づいてきたりしたら、たちまち逃げ出します。
映画館で入場チケットを買うのも必死の思いで、
電話でピザの注文をすることもできません。
たった一人ぽっちで、都会の小部屋に閉じこもり、
『自分の片隅』で生きています。
本当は、自分だけでは何一つ満足にできず、
一人きりでは、生きていけないことを知っているくせに。
・・・・・・
という日記を、数年前に書いたのを今見つけて、
あの頃よりも少しは素直な心で「人間」と接することが
できるようになったものの、
実は本質の部分は今でも何も変わっていない自分に気付いて、
思わず苦笑してしまいました。
僕の「人間恐怖症」はまだ治っていないようでございます。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。