日記

仕事とリズム感

映画や小説などに登場する音楽家のほとんどは、
「貧しい音楽家」とか「仕事のない音楽家」などという
不名誉な肩書を付けられていて、いつも苦笑してしまいます。
(当たっているので文句は言えないのですが・・・)

しかし、5年ほど前にお会いさせていただいた
ある有名な歌手の方が、こんなことをおっしゃっていました。

「知明君、音楽家ほど潰しの利く人種はないのだよ。
 たとえばボクは貧乏だった時代にラーメン屋の厨房で
 毎日せっせとラーメンを作るアルバイトをしていたものだが、
 仕事の手際が良く、ラーメンがいつもバランス良く
 美味しく出来上がって、仕事仲間に褒められたものだ。
 音楽家は他の仕事ができないなんて言われることが多いけれど
 実はどんな仕事でもきっちり美しくこなすことができるんだ。
 それは、仕事というのはリズム感が最も大切で、
 音楽家はそのリズム感に優れているからさ。」

なるほど、きっちりした時間感覚で作られたラーメンは、
いつも同じ味に揃えられていたであろうことが想像できました。

よくよく考えてみますと、確かにその他のどんな仕事でも、
それぞれが独特の速度と規則性を持っており、
音楽的なリズムを感じながらやるととても効率が良いようです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。