仕事というのは、労働力と金銭の交換ですので、
労働力を提供する側よりもお客さんのほうが優位である
ということはなく、対等の立場であるはずなのですが、
「お客様は神様です」
という言葉があるように、どうしても労働力を提供する側が
へりくだり、お客さんのほうが偉い感じがしてしまうものです。
それは、労働力というのはあるひとつの効能だけを持っていて
(たとえば、道路を作るとか、美味しいパンを提供するなど)、
それに対してお金は、他のあらゆるものに使われる選択肢が
存在するからですね。
「あなたの労働に対してではなく、
他の労働に対してわたしのお金を使うわ。」
と言われることを恐れるからです。
労働力を提供する側はお客さんのお金が一番の目当てですが、
お客さんにとっては、その労働力だけが目当てではなく、
他に選択肢をたくさん持っているということになります。
ですので、仕事をする側は、常にたくさんのライバルと
戦っているということを忘れてはいけません。
そして、お客さんがもしもあなたの労働に対してお金を払って
くれたなら、それはとてもありがたく、幸運なことだと
思えなければいけないでしょう。
自分が働いている会社の悪口を言う人がいますが、
このような人はたとえどんなところで働いたとしても
上手くいかないでしょう。
それは、会社が自分の第一のお客さんであることを
分かっていないからです。
会社は、他の多くの労働力の中から、
あなたの労働力を選んでくれたのです。
あなたのお客さんである会社の悪口を言うようなら、
あっという間にあなたは捨てられてしまうでしょう。