日記

何かをしなければ生きられない

人は何かをしなければ生きてはいけないものです。

手桶をひとつ手渡され、目の前の地面を掘ってその土を
手桶いっぱいになるまで盛り、いっぱいになったらまたそれを
元の地面に戻し、また同じように土を掘って・・・
という作業を延々と繰り返させる拷問があるそうですが
特に身体的に大きな苦痛を与えているわけではないのに、
その人は次第に衰弱しやがて自ら命を絶ってしまうそうです。
心が破壊されてしまうのですね。

また、ある拷問では、仰向けに寝させられて、
額の上にスポイトのようなもので水滴を一定間隔で落とすだけで
その人はやがて狂死してしまうのだそうです。

どちらも身体的な苦痛ではなく、精神的な苦痛による拷問です。
よほど強靭な精神力を持った人でなければ耐えることはできず、
自ら死を選んでしまうのでしょう。

人は何かを生産したり社会に貢献しているという実感がなければ
生きてはいけないものなのですね。
まったく無意味で単調な作業をしていると思い知らされることで、
生きている輝きや心の動きを失ってしまうのです。

この世の中には非人道的な会社というのがあるもので、
「辞めさせたい人」がいると、法的には理由もなくクビにする
ことはできないわけですから、自ら退社を希望するように仕向け
るため、「何の仕事も与えない」という拷問を与えます。

僕の知っている人でも、社長の悪行を批判したために、
出社して一日中机に座って何もすることができず、
そのまま退社させられるという目に遭っていた人がいます。
「仕事中」なのですからもちろん本を読んだりすることもできず
ただ机に向かって座っているだけです。
眠ってもいけません。
「怠慢」でクビにする理由を作られてしまいますから。
何もせずにただじっとしているしかないのです。

その人は社長への抗議の意思からかその拷問に果敢に耐え、
すごい人だと思いましたが、人間は弱いものです。
どこまで耐えられたのかとても気がかりです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。