僕は天才ではありませんので、
作品を一度で完成させることはできません。
まず手探りをしながら何となく形にしてみます。
どんなものができるのか自分でも分からないような状態です。
とりあえず作ってみると、目で見えるもの、耳で聞こえるもの
になりますので、それを受けながら感覚を働かせていきます。
「ここはちょっと違う」
「この方向でいいかな」
などと一人でぶつぶつ言いながら、目の前の作品(になる前の
もの)と、感覚を混じり合わせていくようなイメージです。
「これはやめよう」
と思って一度捨てたものを、数時間後にまた引っ張り出してきて
取り入れることもあります。
ゴールは見えているようでまったく見えていません。
何を作ろうとしているのかさえ分からなくなってしまうくらい
混乱してしまうこともあります。
しかし、根気強く作品をこねくり回していると、そのうちに、
「あ、これだ」
と思う瞬間と出逢い、それはどんなに強い力で揺さぶってみても
揺るがない存在感を持ってそこに鎮座することになります。