日記

倍音を含んだ声はエロティック

音色を特徴付けるものの一つに「倍音」というものがあります。

倍音というのは、ある音を基準にして、
その整数倍の周波数の別の音のことです。

つまり、たとえばピアノで「ド」の音を一つ鳴らした時にも、
実際には、「ソ」や「1オクターブ上のド」など、
別な音が同時に鳴っているわけです。
(耳を澄まして集中して聴くと誰にでも聴こえます。)

この倍音成分がどのくらいの量含まれているかによって、
楽器の音の印象が変わります。

たとえば、ピッコロやフルートなどは倍音が少なく、
バイオリンやチェロなどは多くの倍音を含んでいることが
知られています。

倍音の含有量が少ないととても澄み切ってはいるけれど、
それ故に少々機械的な音になるのに対し、
倍音の含有量が多いと人間的でエロティックな響きになります。

倍音の少ないピッコロやフルートの音をご想像いただけると
簡単にお分かりになると思いますが、
たとえば、キンキンした女性の金切り声や所謂桃色の歓声などは
それに似ていて、倍音成分が少ないと言えるでしょう。
好きな人の前でエロティックな雰囲気を演出したいのなら、
そんな声を出してはいけないわけです。

好きな人をその気にさせたいのであれば、
バイオリンやチェロのように、
倍音をたっぷり含んだ声で迫らなくてはいけません(笑)。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。