「そうすれば良いことは私だって頭では分かっているけれど、
どんなにがんばってもできないのです。」
こんなお悩みをお寄せいただくことがありますが、
それは人間であれば自然なことです。
世の中の多くのことはこの悩みによって、うまくいかず、
叶えられることはなく、いつしか諦められてしまいます。
どうすれば良いか、今、何をしなければいけないのか、
それはみんなよく分かっているのです。
しかし、実際の行動に反映させることができないのですね。
頭で分かっているだけによけいに苦しいですね。
むしろ何も分からないほうが、どんなに心穏やかに
過ごせることでしょう。
分かっているのにやめられない、分かっているのにできない、
ということの最大の原因は、「恐怖」と「欲」です。
そんなことできっこない、そんなことをしても時間の無駄だ、
みんなにどう思われるだろう、損をするんじゃないだろうか、
私にはできるはずがない、などという「恐怖」を感じて、
行動できなくなってしまいます。
そしてまた、あわよくば、もっともっと、という「欲」が、
節制の規律を乱し、大きな破滅へと引きずり込みます。
つまり、人間が勝手に恐怖を感じ、勝手に欲に踊らされて、
勝手に苦しんでいるように神様には見えることでしょう。
それはまるで喜劇です。
分かっていることをしっかり行動に移すためには、
自らの心に次々と沸き起こる恐怖や欲を完全に無視し、
予め自分で決めたことをしっかり守り通す強さが必要です。
自分の首を絞めているのは自分であることに気が付きましょう。