日記

初心の価値

人間が行うあらゆることに共通することですが、
それまで順調に積み重ねていよいよ完成目前という時になって、
最後の最後に大きな失敗をして振り出しに戻ってしまう・・・
ということって、よくありますね。

特に、その前段階が順調であればあるほど、
「最後の敵」は強い力で襲いかかってくるものです。

この「最後の敵」とはいったい何でしょう。

それは、自分自身の心が生み出す魔物です。

順調な積み重ねからいつしか心に棲み付くようになる驕り、
油断、怠惰、粗雑さなどが魔物の正体です。

「初心に返る」

という言葉がありますが、誰もがその物事を始めた頃には、
新鮮さと緊張、期待、恐る恐るの気持ちで臨んでいたはずです。
そうして物事は順調に進行していったはずです。
それが最後の最後でひっくり返されるとは夢にも思わずに。

「初心」というものの価値を改めて思い知ります。

では具体的にはどうしたら良いのでしょうか。

「今始めたばかり」

という状況に身を置くことをイメージしてみましょう。

たとえば、腕立て伏せを10回することを考えてみましょう。
1~5回あたりまではスムーズにできるはずです。
6~8回あたりでは次第に苦しくなりますが、
完遂までの希望もまだ残っているでしょう。
しかし、9回、そして最後の10回は、とても苦しいと思います。
速度もゆっくりになってしまうでしょう。

そして今度は10回ではなく、20回することにします。

するとどうでしょう。
さっきは苦しかった9回、10回が何の苦しみもなく進み、
今度は、19回と最後の20回が苦しくなるはずです。

この時に感じる苦しさ=「最後の敵」は、
自らの心が作り出していることが分かりますね。

対処法。

腕立て伏せを20回するとしたら、
「10回を2回する」という気持ちでやってみましょう。
カウントも、「9、10、11、12・・・」ではなく、
「9、10、1、2・・・」としてみましょう。

不思議なことに、「10、1・・・」の切り替えのタイミングで、
それまで心に積もってきた重苦しさが晴れ、
新鮮な気持ちが生まれることにお気付きいただけるでしょう。

「初心」というものの価値を知り、
仕事や生活に積極的に取り入れてみようではありませんか。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。