日記

創作における無我の世界

昨日、敬愛する作詞家の方とお昼御飯&お昼酒をいただきながら
お話をさせていただく機会がありました。

この方とはもう10年を越えるお付き合いで、御年75歳。
発する言葉のひとつひとつが人生を謳うポエムのようで、
とても心に沁みるのです。

この方は、作詞をしている時にいつも

「ありがとう」

という気持ちが沸き起こってくるそうです。

白い紙とペンだけが目の前にあります。
すると、周囲の雑音や日々の心配ごとなどがすべて消え去り、
別の世界に足を踏み入れたかのような感覚になるそうです。

そして、その世界では欲や見栄や嫉妬という感情が消え、
自分自身もまったく消えてしまい、大きくてあたたかい快楽に
包み込まれているような恍惚感を感じるそうです。

俗世を捨てて出家した僧の「無我の境地」に近いものが
ありますが、一番良い創作の状態とはそういうものでしょう。

創作を仕事としてやる場合には、締切もありますし、
恐ろしいクライアントもいますし、ライバルの動向も気になり
ますし、周囲の様々なことに気をもまなければいけません。
そして、プロならば、そのような状況にあっても、
一定レベル以上のものを提出することができるでしょう。

しかし、「本当の創作」というものは、無我の境地に達して、
その世界で創作できることへの感謝の気持ちに満たされ、
何か大いなるものに抱かれているような感覚になってこそ、
できるというものです。

そんな

「創作における無我の世界」

に自由自在に出入りすることができれば良いのですが、
なかなかそう簡単にはいきません。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。