同じ教材を使い、同じ分量、同じ時間の勉強をしていても、
得るものは人によって異なります。
それは、その人のすでに持っているものによって決まります。
たとえば、ある一冊の本を、
AとBという二人の人間が読んだとします。
Aは、その本に書かれてある分野の技術をある程度持った人で、
Bは、その分野ではまったくの素人です。
この場合、AはBよりも多くのものをその本から得るでしょう。
すでに持っている技術が有効に働いて理解を助け、深め、
さらに先の新しいことを学び取ります。
Bにとっては書かれてあることはこれまで全く知らなかった
新しいことばかりですので、よく分からないところも
あるでしょうし、深く読み込むことはできません。
全く同じ本を読んでいるのに不思議なことですね。
つまり、勉強によって知識や技術を積み上げた人は、
そうでない人よりもさらに有利に勉強できることになるのです。
すでに得ている知識や技術が、
勉強を手助けしてくれるイメージですね。
こうして考えてみますと、学校やセミナーで
同じことを同じ時間教えられても、
個々の理解に差が出るのは当然であると気が付きます。
一番効率的な勉強法というのは、個人の現在の能力に合わせた
マンツーマン教育であるということになります。
もちろんたくさんの人と同じ空間、同じ時間学ぶことは
「競争」という視点で意味があることです。
しかし、個人の能力を伸ばす「勉強」に焦点を当てますと、
やはり一人一人がそれぞれの現在に合った速度と内容で
するのが一番良いと言えるでしょう。
つまり、勉強は一人でやったほうが良いのです。