おそろしいことに、
「もういくつ寝るとお正月」
のフレーズが頭をよぎる時期となりました。
一年というのはこんなにもあっという間で、
欲張って100歳まで生きたと仮定しても、
それがたった100回しかないのですから、
時間の貴重さというものを思い知らされます。
僕は音楽を作るお仕事をしていますが、音楽は、
人様のそんな貴重な時間を使わせていただく品物です。
音楽であれば5分、映画であれば2時間。
そうやって誰かの大切な時間をいただくことになるのですから、
半端なものを作るわけにはいきません。
わざわざ時間を取ってくださる方にとって、
有益なものでなければまったく意味がありません。
また、自分が有益だと信じて丹精込めて作っても、
受け取ってくれた人にとってそれが有益だとは限りません。
人はそれぞれ価値観や好みが違いますので、
せっかく時間を取っていただいたのに
「ミスマッチだった」
ということも有り得るのです。
「良い人だと思って恋人になったら、実はロクデナシだった。」
音楽や映画などの芸術ごともそれと同じようなものです。
味わってみるまで自分に合うか合わないかが分からないのです。
自分に合うものが他人には合わなかったり、
またその逆も言えるでしょう。
音楽や映画を鑑賞することは、
貴重な時間を投じる賭け事のようなものです。