日記

好きな人の顔が思い出せない

僕は少年時代、好きな人の顔をなかなか思い出せない、
ということがありました。
毎日学校で見かけるし、恋焦がれている相手なのに、
夜寝る前に彼女の顔を想像しようとしたら、
恐るべきことになかなか思い出せないのです。
どんなにがんばって思い出そうとしても、
顔の一部分でさえ思い描くことができず、もがき苦しみました。
この話を学校で打ち明け、
「そんなの信じられな~い。サイテーね!」
と、クラスの女子たちのひんしゅくをかったものです。
しかし僕は過去に数人、
僕と同じような経験をしたという人に会ったことがありますので
これは何も地球上で僕一人だけの体験ではないのだと、
自分に言い聞かせて、勝手に安心しています。
おそらく僕は、相手の顔が好きとか性格が好きとかではなく、
その人が発している雰囲気に恋をするのかもしれません。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。