どんなに好きなことの中にも「やりたくないこと」が
入っているものです。
たとえば僕は、音楽を作るのが何よりも好きですが、
ピアノの前に座ってメロディーを思い描いたり、
五線紙にスケッチしたりするのは自然にできるのですが、
そのことによって出来上がるのは、
単なる「音楽の設計図」であり、音楽ではありません。
「音楽の設計図」を「音楽」にするためには、
◆人の耳に聞こえるように音源を作る
もしくは、
◆演奏できるように楽譜を作る
このうちのどちらかをしなければいけません。
そしてこの作業に、時間と技術が必要になります。
また、苦痛も伴います。
できることならばやりたくない作業ですね。
しかし、これをやらなければ単なる夢想で終わってしまい、
音楽にはならないまま消えていってしまうのです。
ある作曲家が、
「音楽はすでに私の頭の中でできている。」
と言いましたが、もっとも重要なのは、その後に待っている
「実作業」であるということにりますね。
実際に手を動かして、楽譜を作ったり、
音を組み立てていかなければいけません。
このように、「好き」の中にも、やりたくないことや苦痛が
含まれているもので、どんなことであっても「100%楽にできる」
ということはありません。