日記

小さな音量でモニターする

調味料をたくさん使ったお料理ばかり食べていると、
いつしか味覚が鈍感になってしまいます。

食材はそれぞれ本来の味を持っていますので、
それを敏感に感じて味わうためには、
調味料を使わないお料理を食べて舌を鍛える必要があります。

このような訓練は最初は苦しいですが(訓練というもはみな
苦しいものですが)、がんばって続けているとある瞬間から、
食材そのものの繊細な味を楽しむことのできる敏感な舌を
手に入れることができます。

これは、音楽でも同じことで、
レコーディングスタジオや制作現場においては、
ついついボリュームを大き目にして作業してしまうことが
多いのですが、このような作業を続けていると、
「耳がバカになる」と言いますか、
音楽を味わう感覚が鈍感になってしまうように感じます。
大きな音で聞くと、デシベルのパワーに圧倒されて、
音楽的に多少の欠陥があっても何となく心地良く、
「これで良し」としてしまう危険性があるのです。

それを避けるために、なるべく小さな音量でモニターすることも
必要なことだと個人的には思っています。
日常生活の音に混じって、小さな音で聞いていると、
その音楽の直すべき点が見つかったりします。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。