日記

店員恐怖症

僕は極度の「人間恐怖症」なのですが、
お店の人、特にレジの人にいっそうの恐怖を感じます。

先日も、人に会う約束の前に少し時間ができてしまいましたので
近くにあったハンバーガー屋さんに入ったのですが、
思いのほか並んでいるお客さんが少なくて、
何を注文するかまったく決まっていないうちに
いきなりレジの前に進まされてしまいました。

そこで慌ててメニューを見たのですが
いったい何をどう注文していいのかまったく分からず、
ひどく動揺してその場で考え込んでしまいました。

そんな僕を上から見下ろすように立って、
恐ろしく重苦しい沈黙の責めで、
僕の注文を今か今かと待ち構えている店員さんは、
まるで悪魔か何かのように僕には見えました。

僕はまるで閻魔大王の前で裁きを待つ罪人のような気分になり、
恐怖と緊張のあまり、一番上に表示されてあった
ハンバーガーのセットをとりあえず指さして注文し、
さらに意味不明なことにメニューにデカデカと表示されていた
「極上チーズケーキ」というのをたいして食べたくもないのに、
一刻も早くその場から立ち去りたいばかりに注文したのでした。

お昼ご飯を食べた後だったにもかかわらず、
ハンバーガーのセットと大きなケーキまで頼んでしまい、
情けないような哀しいような気持ちに苦しみながら、
フライドポテトをかじり、ハンバーガーをほおばり、
ドリンクと極上チーズケーキを平らげたのでした。

「美味しかった」という気持ちよりも
「店員さんから逃げられて助かった」という安堵感だけが
僕の心の中に残りました。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。