心は目には見えないとされていますが実はそうでもありません。
脱いだ靴や服の扱い方、扉を閉める時の音、
トイレットペーパーをちぎった後の形状などはみんな、
その人の心を映しているものです。
美しい人が家の中に入る時、脱いだ靴をきれいに揃えるのは、
そうしなければいけないと意識しているわけではなく、
「そうしないと気持ち悪いから」です。
美しい人が扉を丁寧に静かに閉めるのは、
扉が壊れることを避けるためではなく、
周囲の人たちの心の湖に石を投げ込まないように、
という気遣いからです。
トイレは完全な「個」の空間ですが、
こういう場所でこそ自分の心の状態を知る良い機会ですね。
誰も見ていないからこそ、もっとも「素」の自分が現れます。
トイレットペーパーのちぎり口の美しさは、
その人の心の美しさに比例すると言っても良いでしょう。
僕が尊敬しているあるプロダクションの会長さんは、
僕が会社にお邪魔した時に、
プロダクションのタレントさんが椅子をすすめてくれたのですが
その椅子がテーブルのラインに対して少し曲がっていたのを見て
「椅子が曲がっているじゃないか。」
とそのタレントさんをお叱りになられたことがありました。
こんなほんの些細なことに、その人の内面が表れてしまう
ということを教えていただいたようで、
とても感動したのを覚えています。