日記

悲しみの壺

悲しい時には音楽が心を慰めてくれますね。

しかし、そのような時にどんな音楽を聴くと良いかは、
人によって様々です。

うら若き高校生の頃、好きだった女子に
こっぴどく振られて落ち込んでいたところ、
友人に「この音楽を聴くといいよ。」と言われ、
アップテンポの軽快な音楽を薦められて聴いてみたところ、
元気になるどころか、ますます憂鬱になってしまいました。

確かに、

「悲しい時には明るい曲を聴いて悲しみを忘れよう。」

という考え方もあるのかもしれませんが、
僕の場合はむしろ、

「悲しい時にこそ悲しい音楽を。」

というのがどうやら性に合っているようです。

僕の考えでは、誰もが心の中に「悲しみの壺」を持っていて、
それがいっぱいになって溢れだした瞬間から、
忘却のチャプターが開始するのではないでしょうか。

つまり、

「中途半端に悲しみを満喫しただけでは次に進めない。」

ということになります。

僕の場合は、悲しい映画音楽をこれでもかというくらい聴き、
無理矢理に悲しみの壺をいっぱいにすることによって、
その先に希望が見えてきます。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。