日記

料金を上乗せするお客様

「少しおまけしてください。」
「もうちょっと割引してくれたら買います。」

というのは、商売の現場では日常茶飯事ですが、
作曲や演奏のお仕事をしていますと、たまに、

「〇〇円お支払いさせてください。」

と、既定の料金よりも多くお支払いしようとしてくださる方が
いらっしゃいます。

料金に若干上乗せする「チップ、心付け」のようなものであり、
作家や演奏家、お医者さんなど、その人ならではの技術を
必要とする職種に多いようです。

ブライダル業界では「ご祝儀」というのがあって、
プランナーやキャプテン、司会者や演奏家に3000円とか5000円
などを小袋に入れてそっと手渡すような習慣が
以前からありました。(今はだいぶ少なくなったようですが、
まだ存在します。僕の知り合いの司会者は10万円もらったこと
があるそうで、仕事のギャラよりも高かったそうです。)

僕の会社では音楽制作や演奏家派遣、イベント企画などを
やっているためか、既定の料金に若干の「色」を付けて
くださるお客様が多いのかもしれません。

そのような時には弊社ではお気持ちだけありがたく頂戴させて
いただき、規定の料金をいただくことにしています。

僕の会社だって経営は厳しく、1円でも多く欲しいところですが、
それをしてしまうとサービスの内容に偏りが出るような気がして
そうなるよりは、いただかないほうが良いと思っています。

いつも偉そうなことを言っていながら、僕だって欲望にまみれた
醜き人間の一人ですので、チップをいただくことによって、
どうしてもそのお客様の仕事に特別な気合が入ってしまいます。

そのことによって他のお客様の仕事に込める熱量と
差異が生じてしまうことを避けたいと思っているのです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。