日記

楽器にも男と女が

太宰治の小説『人間失格』の中に、すべての名詞は、
「悲劇名詞」と「喜劇名詞」とに分けることができて、
それがどちらかを言い当てる時、ひとつでも間違ったならば、
芸術家として失格だ、という遊戯が出てきます。

すべての言葉を「悲劇っぽいか喜劇っぽいか」で分類するのは
とても楽しい遊びだと思います。
(たとえば「人生」という名詞を悲劇名詞とした人と、
喜劇名詞とした人とでは、ものの考え方が相当違うでしょう。)

悲劇喜劇ではないのですが、実はすべての「楽器」は、
男性か女性かに分けることができます。
(演奏する人が男か女かという意味ではなく、
その楽器自体を男か女にたとえるとしたら、という話です。)

例を挙げますと、バイオリンとチェロとコントラバスは男性で、
ビオラだけは女性となっています。
あのまろやかで少し落ち着いた音色が、
女性の柔らかさをイメージさせるのでしょうか。

また、管楽器もほとんどが男性ですが、
トランペットだけは女性となっています。
あのキラキラした太陽の陽射しのような音色が
そう決めさせたのでしょうか。

ハープが女性というのはとても分かりやすいのですが、
おもしろいところでは、何と大太鼓が女性です・・・
これもよく分かりますが、あまり言うと叱られますので、
これ以上の記述は避けたいと思います。。。

もちろんこのようなことは一種のイメージの遊戯であって、
国によっても違うでしょうし、正解や不正解などはありません。

しかし、音楽家同士が語らった時、この遊戯をやってみることで
音楽に対する好みやイメージの方向性、センスなどが分かり、
肌が合うか合わないかを知ることができるでしょう。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。