日記

楽曲配信と所有欲

楽曲配信が当たり前の世の中になったため、CD屋さんの倒産が
相次いでいますが、データというものは目には見えないため、
音楽を購入しても「買った」という喜びが少ないのが現実です。

現に僕のお客さんでも、

「データではなくCDで欲しいです。」

という人はまだまだたくさんいらっしゃいます。

手で触れる、重みを感じられるものを獲得して初めて人は
「ものを買った」という快感を味わうことができるのかも
しれませんね。

最近では、データ容量の多い動画でさえネットでやり取りされる
ことがほとんどで、2時間ものの映画でもレンタルビデオ屋さん
に行ってビデオやDVDを借りてくるというのではなく、
パソコンでサーバーからデータをダウンロードして鑑賞する、
というスタイルが定着しつつあります。

「クラウド(サーバー上に置かれたデータへアクセスして使用
することによって、自分の端末にデータそのものが入っていな
くても良いという仕組み)」の活用ということになるのですが、
世界でたった一つの場所にたった一つのデータを置き、
そこに全世界の人たちがアクセスすることによって共有する、
というのが一番効率的で無駄がないことなのかもしれません。
しかしそれだと先に述べた「所有欲」を満足させられません。

旧来型の「手で触れる物質のやり取り」と、
大人数共有型クラウドとのちょうど間にあるもの、
たとえばDropboxなどの「プライベートクラウドシステム」の
活用が今のところ一番バランスが良いのかもしれません。

インターネットの世界に「自分だけのひきだし」を
ひとつ持ちます。(これがプライベートクラウドです。)

購入したデータをそのひきだしにどんどん入れていき、
観たい時(聴きたい時)に端末でアクセスするという方法ですと
データのやり取りによって効率も損なわれないですし、
「所有欲」もある程度満足させることができるかもしれません。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。