僕たちが生きている世界には「平等」というものはなく、
人の運命はいつも不平等に、ある人には幸運をある人には不運を
手渡すものですが、どんな人の人生にも一回や二回、
見方を変えれば毎日一回、運命を変える機会が訪れます。
機会(チャンス)は、見ようとすれば見えますし、
見ようとしなければ目の前にあっても見逃してしまいます。
また、見える人と見えない人がいますし、見えたとしても、
それを活かせる場合と活かせない場合があります。
たとえば、川のほとりにAさんとBさんが佇んでいるとします。
近くを魚が泳ぎ過ぎようとしました。
Aさんは「魚が来たら絶対捕まえるぞ」という気持ちで、
水底を観察していたため、魚の存在に気付きました。
Bさんは「魚が来ればいいな」という程度に考えていたため、
気の緩みから、空を舞っていた蝶々を眺めていて、
泳いできた魚の存在に気付くことができませんでした。
このように、全く同じ状況に身を置きながら、
「気持ちの持ちよう」が違うだけで、一方はチャンスに気付き、
もう一方はチャンスが身近に迫ったことさえ分からないのです。
そして次の段階、もしもAさんもBさんも、
同じようにチャンスに気付くことができたとしましょう。
ところがこの二人には、チャンスの瞬間を迎えるまでの行動に、
大きな違いがあったのです。
Aさんは、いつか魚が目の前に現れた時のために、
釣竿を用意して、釣りの練習もしていました。
Bさんは、準備を怠ってぼんやりと過ごしていました。
この場合、チャンスを捉えるところまでは同じでも、
その後、そのチャンスを活かせるかどうかという段階で、
Aさんは活かすことができ、Bさんは活かせない、という
全く正反対の結果を迎えることになってしまいます。
このように、まず、日常の中にチャンスを発見する目、
これは「気持ちの持ちよう」によって得られます。
そして、発見したチャンスを活かす方法、
これは「日頃の準備」によって得られます。
機会を捉えるためのアンテナを張り、
機会を活かすための準備をしていれば、
いつか望んだものが得られるでしょう。