僕は禁欲主義者ではありませんし、欲望が人間にもたらす効果を
よく知っていて、それを積極的に生活に活かしていきたいと
考えている人間ですが、欲望を制することが大きな実りを
もたらすことも、実体験を通して実感しています。
たとえば今、
「チョコレートが食べたい。」
と強烈に欲しているとしましょう。
やらなければいけないことが目の前にあるにも関わらず、
どうしてもチョコレートが食べたくて、
じっとしていられないという気持ちです。
このような時に、ちょっと席を外してチョコレートを買いに行き
ほおばることは簡単ですね。
すぐに欲望を満たすことができるでしょう。
しかし、ここでぐっと我慢して、
まずは目の前にあるやらなければいけないことを片付けます。
そして、一時間くらいがんばって作業し終えた後に食べると、
前述のようにすぐに食べるよりも、
大きな満足感を得ることができるでしょう。
さらには、「チョコレートを食べたい」という欲望が作業の手を
早め、目の前の仕事があっという間に片付くでしょう。
欲望のエネルギーを借りるわけですね。
簡単に言えば、
「欲望の奴隷になるか、欲望を奴隷にするか。」
のどちらかなのですが、欲望の奴隷になってしまうと、
多くの場合、ろくな結果にはなりません。
取り返しのつかない大きな破滅が待っていることもあります。
つまり、欲望が主体になるのではなく、人間の側が主体となって
欲望を操作することが必要になりますね。