日記

歌は思い出を呼び起こす

歌には、それを聞いていた時の自分の状況を、
明確に思い出させる力があります。

これは、歌の持っているテーマや歌詞の内容に関係なく、
リスナーに与えられる効果です。

たとえば、歌の内容が恋愛をテーマにしたものであるとしても、
その歌を聞いた人がその時に仕事で苦労していたなら、
10年後にその歌を改めて耳にした時に、恋愛のことではなく、
仕事で苦労した日々のことを思い出して胸が熱くなるでしょう。

つまり、人によって回想されるものは異なる、
ということになるわけです。

オールディーズの人気や、近年のリバイバルブームの背景には
そういった要因があるのかもしれません。

人は誰でも、

「懐かしいという感情を味わいたい。」

と心のどこかで思っているのです。

さらに不思議なことに、外国のオールディーズなどを聞くと、
自らの直接的な体験とはまったく関係のないところで、
懐かしさを感じることがあります。

たとえば僕は、カーペンターズの曲を聞くと、
中学から高校の頃のことを思い出します。
しかし、僕が中学・高校時代にカーペンターズを聞いていた
記憶はありません。
僕の体験とはまったく関係なく、歌が持っている特性が
心の中にノスタルジーを湧き起こさせるのですね。

こうして見てみますと、歌というものは、
過去や思い出と深い関わりを持っていることに気が付きます。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。