「この世界の涙の絶対量は決まっている」
という考え方があります。
この場合の「涙」というのは、うれし涙や感涙などを除く、
悲しみの涙、つまり「悲しみ」ということの比喩なのですが、
今この瞬間に笑っている人がいるその陰で、
涙を流している人が確実に存在します。
世界の涙の絶対量が決まっているのであれば、
今自分が笑える状況にある時は、他の誰かが涙を引き受けている
ということになりますので、笑えることへの感謝が生まれます。
「世界中のみんなが笑えますように」
というのは、理想であり永遠の夢ですが、
その実現をぼんやりと思い描いて過ごすよりも、
自分が笑顔でいられるこの時にも他の誰かは悲しみに泣いている
という想像力を持っていたいものです。