日記

燃焼と抑制のバランス

僕は音楽を作る時に、まず第一段階として、
テーマに沿って自分のやりたいことをすべてやります。

これも入れようあれも取り入れようというように、
気持ちを燃焼させながらその火の赴くままに任せて、
すべてをそこに注ぎ込みます。

そうしますと、自分がその音楽においてやりたいことの
すべてが入ったものが出来上がるわけですが、
これでは作品としてはまずいわけです。

ひとつの作品の中に心のままに放り込んだ演出や技術の中には

「それを削っても効果が残る」

「むしろそれを削ったほうが効果が活きる」

というものがいくつもいくつも入っていて、
それを見極めながら消していく作業が必要になるのですね。
つまり、抑制することで作品を磨いていくわけです。

木の棒や積み木のようなものを高く積み上げて、
参加者が順番に、積みあがったものを崩れないように
ひとつずつ抜いていくゲームがありますが、あれに似ています。

作品を崩すことのないようにバランスをとりながら、
注ぎ込んだ演出や技術を抜いていきます。

そして、できるだけ多くのものを取り除きすっきりしてくると、
作品の本質だけが残ります。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。