日記

粘土をこねるように音楽を作る

作曲をしていると言っても、モーツァルトのように旋律が天から
舞い降りてくるわけではなく、僕はただの凡人ですので、
音楽を作る過程において、何度も「やり直し」をします。

まず一つのメロディーを生み出します。
しかしこれで完成ではありません。

どんなに、

「良いメロディーができた!」

と喜んでも、一晩寝て目が覚めると、

「ああ、またつまらないメロディーを作ってしまった・・・」

と、ひどくがっかりします。

そして、ここからが作曲の「本当の作業」となります。

まず、せっかく生み出したメロディーなのですから、
それを大切にすることに決めるとします。

繰り返し歌ったり、楽器で弾いてみることによって、
直したら良いところが分かってきます。
そこにどんどん手を加えていきます。

粘土で人形か何かをこしらえていて、飛び出たところを丸め、
足りないところに粘土を継ぎ足す、あの作業と同じですね。

また、メロディー単体で聞いた時には良くても、
編曲によって他の楽器群と合わせてみた時に、
改善点が見つかることもよくあります。

ギラギラした若者が社会に出て、多くの人と接する中で、
次第に美しく、丸く、優美に洗練されていくのと似ています。
音楽は一つの音と他の音との関係性の中で輝くからです。

やり直し、アップデート、時には捨て、捨てたものをまた拾い、
また捨てて、やっぱり最後にまた拾い直す。
そのような混沌とした試行錯誤の中で作品が出来上がります。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。