日記

紙と鉛筆を用意して始めよう

作曲の時の旋律の発想が、僕の場合は散歩など、歩いている時に
脚を通して受け取るということを以前書いたことがありますが、
これは、仕事のやり方や新しいサービスを考える時にも同じで、
大体は歩いている時に思いつきます。

そしてそのような「思いつき」は、そのままでは手で触れない
幻のようなものであり、実際に行動に起こして具体的なことを
積み重ね、手で触れる、目に見える、耳に聞こえるかたちに
しなければ、当人の頭の中にあるだけで終わってしまいます。

たとえば僕の場合でしたら、旋律が思い浮かんだら、
それを楽譜に書き、音源を作って万人の耳に聞こえるように
しなければ、「僕だけのもの」として終わってしまいます。

実に多くの素晴らしいアイディアが、
日々たくさんの人の頭に浮かび、そして、
具体化されることなく消え去っていることでしょう。

具体的に手を動かすことが最も大事なのです。
そうしなければ誰にも伝わらず、
最初からこの世に無かったものと同じになってしまいます。

また、「具体的に」とは言っても、ひとつのアイディアを
一気に完成させなければいけないということではありません。

とりあえず「手を付ける」ことが大切で、
そうするとそれが脳にセットされ、何をしている時にも
それがぼんやりと頭の片隅に存在している状態になります。

その状態でいると、何か他の仕事をしている時に、
目の前で今やっていることが、頭の片隅に置かれたアイディアと
結び付き、たちまち輝き出すことがあります。

また、人と会って話をしている時に、話題は何気ない日常の
雑談であっても、突如としてそれが寝かせていたアイディアに
火を点けるというようなこともあります。

やりたいことはまず実際にやってみることが大切で、
決して上手くいかなくても良いのです。

「何からやっていいのか分からない」

とおっしゃる方は、まず、白い紙一枚と鉛筆一本を用意して、
そこに何か書いてみてください。

そこからすべてが始まるでしょう。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。