日記

自分の声は永遠に聞こえない

先日、音楽業界でその名を知らない人はいないというくらいの
大物プロデューサーの方とお話をする幸運に恵まれました。

その席で、

「作家は自分で作ったものの良し悪しを
 自分自身で判断できない」

ということがテーマにあがり、
それはなぜなのでしょうかとお尋ねしたら、
とても分かりやすい例をお話してくださいました。

それは、

「人は、他人が聞いている自分の声を、
 自分の耳で聞くことは永遠にできない。

 頭蓋骨を通して聞こえる自分の声と、
 他人が空気を通して聞いている声とはまったく違う」

ということです。

それは、創作やパフォーマンスでも同じで、自分の作品に対して
感じる自分の感覚と、他人がその作品から受ける感覚との間には
大きな差が生じるというのです。

そして、作品を他者の心に届けたい、他者に受け入れてほしい、
と願うのであれば、他者の耳をお借りして、他者のフィルターを
通して作品を見つめ直す必要があるのです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。