日記

苦しみや悲しみを消し去る魔法

人間が安心したり癒されたりするのは、
「ああ、こんなに苦しんでこんなに傷ついているのは
 自分だけじゃないんだ」と認識した時です。
自分よりももっと不幸せな人がいる
他人の不幸は蜜の味
という意地悪な視点ではなく、
もっと愛情を持ってこの事実を見つめてみると、それはたぶん、
「他人との親和感・孤独感からの解放」ということに
なるのでしょう。
つまり、「癒し」には「自分以外の誰か」が必要であり、
物や自然を相手には、救われることはないのかもしれません。
音楽を作る身にとっては、これは大きな課題です。
音楽で人の心を救いたい・・・という希望を持って
日々仕事をしているわけですが、
事実、音楽で人を救うことなどできないのです。
どんな美しい音楽も「隣にいる人」に勝ることはできません。
苦しみにもがいている人の手を、隣人がそっと握る時、
どんな音楽の力も及ばないくらいの安堵感が生まれます。
しかし僕は作曲家です。
「音楽」という「道具」を通して、「僕」という「人間」が、
苦しんでいる人の心をそっと撫でてあげられるような
そんな作品を作りたいと思っています。
人間はやっぱり一人ぼっちでは生きられませんでした。
僕は「音楽」を通して、その向こう側にいる人の
悲しみや苦しみに、そっと触れてあげたいのです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。