日記

複雑なシンプルさ

作曲をする時、グラフィックやホームページを作る時などに
いつも思っていることですが、
「シンプルなものこそ美しい。」
古今東西の「美しいもの」はすべて、
複雑で小難しいものではなく、とても「シンプル」です。
しかし、「シンプル」=「簡単・単純」では決してなく、
「無駄なものをそぎ落としていく作業がいかに大変か」
ということもよく知っています。
時間をかけずに作ったいわゆる「シンプルに見えるもの」
つまり「ニセモノ・シンプル」な作品は、
手を抜いたことがすぐにバレてしまいます。
(人間は五感でそういう部分を感じるのかもしれません。)
「ホンモノ・シンプル」な作品には、
「目には見えない複雑さ・深み」があります。
創作の過程では、すべてのエネルギーを注いで、
「やりたいこと」を全部やってしまいます。
すると、複雑でごちゃごちゃしたものになってしまいますので、
そこから「いかに引き算していくか」という作業になります。
重要なのは、「引いて」も「消えない」ということです。
「目に見えるもの・耳に聞こえるもの」をそぎ落としても、
それらが「伝えようとしていたこと」は
そこに残すように、気をつけながら作業していきます。
目指している作品は、
目には見えない・耳には聞こえない複雑で大きな世界を内包した
とてもとてもシンプルなもの
です。
そんな風に考えながら、いつもピアノやコンピューターの前で
「戦って」います。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。