日記

覚えようとしなければ覚えられない

僕が住んでいる横浜市はゴミの分別が厳しいことで有名です。
出して良いゴミと出してはいけないゴミが、
曜日ごとに細かく指定されているのですが、
僕はもう5年以上横浜に住んでいるのに、
何曜日が何のゴミの日か未だに覚えることができません。

ゴミ出しの曜日くらい5年もすれば誰でも覚えられるだろうと
思いますが、不思議なことに覚えることができません。
それは、覚えようとする意志が全く無いからなのだと思います。

横浜に引っ越してきた時に、僕はゴミの分別を把握できるように
パソコンの中のメモ帳ソフトに曜日ごとにメモしました。
今は、iPhoneの中にEvernoteというアプリをインストールして
手元でいつでもそのゴミ出し曜日のメモを見ることができます。
朝に今日は何のゴミの日だっけと思いEvernoteを見て知ります。

たったこれだけのことが、「ゴミ出しの曜日を記憶する」
という行動を完全にシャットアウトしてしまいました。
メモを見なくても分かるようにしっかり覚えよう、
というように頭を切り替えなければ、
これから先も永遠に今日が何のゴミの日か分からないでしょう。

Evernoteを見れば良い、だから覚える必要はない。
そんな些細なことが行動に大きく影響してしまうのですね。
人間は、覚えようとしなければ何も覚えられないのです。

むかしは好きな人の電話番号はソラでスラスラ言えたものですが
今の人たちで恋人の携帯電話の番号を何も見ずに言える人は
いったいどのくらいいることでしょう。
名前を検索して発信ボタンを押すだけでつながるのですから、
覚える必要はないのでこのようになってしまいました。
便利な世の中ですが一抹の寂しさがありますね。
「好きな人の電話番号を暗記している快感」というものが
以前は確かに存在していて、それは素敵なものだったのです。

今は何でもインターネットで検索できますし、
辞書を引くことすらあまりなくなりました。
世界中の知識はビットでつながれて、まるで巨大なひとつの脳に
みんなでアクセスしているようなものです。
便利ですが寂しいですね。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。