日記

誕生日にはカップラーメンを

価値観というのは人それぞれまったく違うものであり、
どれが良くてどれが良くないということはありません。

「その人が価値を感じるものが価値あるものである。」

ということになります。

大学生の頃、僕の近くに、
一年に一回だけ、その子の誕生日にだけ、
カップラーメンを食べることを許されていて、
その日をとても楽しみにしている女の子がいました。

当時、一人暮らしの男子大学生で、
毎日のようにカップラーメンを食べていた僕にとって、

「今日は誕生日だ~。カップラーメンが食べられる~。」

と目をキラキラさせて喜ぶその子は、
とても魅力的に見えたものです。

きっとお家できっちりした食生活を親御さんから教育されていて
不健康な食事の代表であるカップラーメンは、
あまり食べさせてはもらえず、唯一自分の誕生日にだけ
許されていた、ということなのでしょう。
(不健康な食事ほどたまらなく美味しいものです。)

普通の人にとっては、

「毎日毎日カップラーメンばかり・・・
 たまにはもっと美味しいものが食べたい!」

と思うのでしょうが、その子にとっては、
カップラーメンこそがご馳走だったのです。

日本人は横並びが好きですので、人気のあるものや、
みんなが血眼になって欲しがるものを
まるで自分も欲しいかのように錯覚してしまいます。
行列ができていると何のお店かも分からずに並びますし、
「限定」という言葉が付いただけで欲しくなってしまいます。
不必要なものであっても品薄だと買いだめに走りますし、
有名人のオススメが気になってしかたありません。

自分の中に価値観を持っていないために、人気に便乗することで
とりあえず安心したいというわけですね。
しかし、それは本当に自分が求めているものでしょうか。

他人が何と言おうと、自分が心の底から欲しいと思ったものが、
自分にとって何よりも高価なものであり、それをしっかり認識し
決して恥じることなく、それを「好きだ」と誇れるような
豊かな生き方をしたいものです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。