日記

誰も通らない道

今日、仕事場に向かうために電車に乗ろうと駅に着いたら、
あと少しで電車がホームに入ってくるところでした。
子供を連れた父親が、
「ほらみんな走ってるぞ、負けないように走れ! 乗るぞ!」
と大声で叫んで、子供を引きずるようにして走っていきました。
「負けないように」とは一体何に対してなのでしょうか。
他の人が電車に乗れて自分たちが乗れないことが
「負け」だと言うのでしょうか。
奪い合おうとしている光景には、醜さを感じます。
先日テレビで、何かの事件の号外を配っているところが映り、
そこに群がってきて我先にと手を伸ばし、
配っている人の手からもぎ取らんばかりの勢いで奪っていく
人たちの映像を見て、そのあまりの醜さに鳥肌が立ちました。
電車の中で席が空いた瞬間に、そこめがけてダッシュするなど、
そういう光景もおそろしいほどよく目にしますが、
幻滅のあまり眩暈がするほどです。
僕は、街角で群がっている人たちを見かけると、
「何かな」と気にはなりますが、
決して足を止めることはありません。
また、行列のできるお店などに、
並んでまで食べたいと思うことはありません。
人通りの多い道よりも、誰も通らない道を好んで歩きます。
それがたとえ遠回りであったとしても。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。