日記

近づきたい

人はどんなに背伸びをしても、
自分以外の人になることはできませんね。

よく、

「あなたの気持ち、分かる。」

と簡単に言う人がいますが、そのようなことは不可能なのです。
他人の気持ちを完全に知ることはできません。

だからと言って、人の気持ちを分かろうとすることは無意味
なのかというと決してそうではなく、

「理解することはできないかもしれないけれど、
 それでもあなたのことが知りたい。
 あなたの気持ちを自分のことのように受け止めたい。」

と願い続けることはとても意味のあることだと思いますし、
それが時に、優しさとか思いやりという言葉で表現されます。

映画や音楽など、何か作品を創ろうとする人の
創作の根源にはこのようなことがなくてはいけません。

つまり、映画の中に出てくる主人公は、
創作者自身とは別の人生を生きている、別の人間であり、
その人物のことを深く理解しなければ、
主人公は生き生きとしてこないのですが、
先に述べたように、完全に理解することも不可能です。

創作者にできるのは、自分の人生で起こったこと、
自分が過去に感じた感情と、主人公の身に起こること、
主人公の気持ちとを比べて共通点を探しながら、
主人公に自分自身を重ね合わせていくことだけです。

最終的には、自分とは全く違う人生を送った映画の主人公は、
実は自分自身である、と言い切れるところまで
追い込むことができるかが勝負どころとなります。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。