日記

電子音の魅力

電子楽器の音色には2種類ありまして、そのひとつは、
ピアノやバイオリン、クラリネットなど生楽器の音を真似る、
所謂シミュレート系の音です。

これはどれだけ技術が発達して高音質になったとしても、
「偽物の音」という壁を越えることはできません。
どこまでいっても本物の楽器の音には敵わないのです。

しかし、電子楽器にはもう1種類、
その楽器にしか出せない音というものがあります。

それはまさに「電子音そのもの」であり、
ピアノにもバイオリンにも決して出すことのできない音です。

作曲家の冨田勲さんは、

「電気だって自然のエネルギーです。」

とおっしゃって、
「プラズマ・シンフォニー・オーケストラ(PSO)」という
仮想オーケストラ(団員はすべて電子楽器)を
結成して音楽活動をしていらっしゃいます。

また、ロシアで生まれたテルミンという楽器、
フランスで生まれたオンド・マルトノという楽器なども、
電気そのものの音でありながら、どこか懐かしいような
あたたかいような不思議な音色を持っていて魅力的です。

クリスマスが近づいた季節に、あちこちで聴くことのできる
電子オルガンの音色もまたあたたかくて素敵ですね。
(パイプオルガンの音とはまた違った温もりがあるものです。)

このように、シミュレート系の追及は、
音楽制作のコスト削減に貢献するだけですが、
電子音そのものの追及は、演奏法や表現法も含めて、
ピアノやバイオリンを研鑽するのに匹敵することでしょう。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。