日記

音楽家は激怒した。

いつもはクールな僕ですが(自分で言ってごめんなさい)、
とても許せないことがありましたので、
このホットな気持ちが冷めないうちに書いてしまいます。
先日、埼玉でCDやDVDなどをプレスしている(らしい)会社の
社長さんから「編曲いくら?」と聞かれたので、
初めてのお客さんですし、最大限にサービスをして、
お見積を出させていただきました。
お客さんの役に立ちたいといつも思いながら仕事をしているので
「ミュージシャンの手配や、スタジオのレンタルまで
 ご面倒なことは何でもお手伝いいたしますので、
 何かお困りのことがございましたら、
 遠慮なくお申し付けください。」
と言葉を添えてお返事しました。
すると、下記のようなメールが返ってきたのです。
「私がお声をかけてもあまり感謝されていないようですね。
 仕事を頼んでやっているのだから、
 まずはもっと、感謝されてもいいはずだ。
 知り合いに、誰もが知っている曲のアレンジを
 している人がいるのでその人に頼みます。
 クラシックの奏者も50人から100人の編成で、
 有名な人でも、私がお願いすれば喜んで
 引き受けてくれますよ。
 お困りのこととあるが、音楽で困っていることなんてない。
 あなたの力なんて借りなくてもいい。」
などと、乱暴な言葉を言われてとても傷つきました。
僕はいつも精一杯の誠意を込めてお返事するように
心がけているので、何か胸の中に黒くて汚いものを
投げ込まれたような強烈な痛みを感じました。
見積価格が、予想していた金額と合わなかったのでしょうが、
こんな言い方は「人」としてあんまりでしょう。
第一、「感謝されてもいいはずだ。」とはいったい何でしょう。
音楽家を「物乞い」か何かだと思っているのかもしれません。
「仕事をあげるのだから感謝して受け取れ。」
という考えなのでしょうか。
音楽家は、魂を削って精神をすり減らして、
一音一音丁寧に丁寧に音楽を作っているのに、
こんな言われ方をしたのでは、こちらからお断りです。
お客さんは会社にとって、とても大切な存在ですが、
はっきり言ってしまいますが、
このような心を持ったお客さんであれば「まったく不要です」。
さらに言ってしまえば、
「人の心の痛み」を理解できないような人間のためには、
何兆円積まれても音楽は「作りません」。
あー、すっきりした。
言いたいこと全部言ったぞ。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。