日記

高額な個人向けサービス

弊社のサービスに「オーダーメイドミュージック」という
個人向けの作曲サービスがあるのですが、

「個人向けサービスにしては値段が高い。」

などと、よくお客様からお叱りを受けます。

しかし、たくさんの人間が長い時間を費やして
お客様の音楽をお作りするため、
どうしてもこのような価格設定となってしまいます。

作曲といいますと、僕一人で30分かそこらでできるなどと
思われているかもしれませんが(笑)、
実際には、作曲はあくまでも「設計図作り」に過ぎず、
その設計図を元にして、「目に見える楽譜」にしたり、
「耳に聴こえる音源」にしたりしなければいけません。
これらの作業に相当な時間を要するのです。

様々な楽器のアンサンブルを組み立てる「編曲」や、
美しい譜面を制作する作業、各楽器の一音一音を
丁寧に丁寧に積み上げていくプログラミング作業など、
全ての工程に多くの時間が費やされます。

そして、音楽の大枠が出来上がったら、次に
レコーディング&ミックス作業へと移ります。
これは各楽器の音を録音し、
きめ細かにお化粧していく作業ですね。
歌や楽器演奏を録音するのもこのタイミングで行いますので、
ボーカリストさんや演奏家さんの出番となります。

すべての音の録音とミックスが終了した後も、
マスタリングという最後の作業が残っています。
これはオーディオ機器で聴いた時に最良の音で聴こえるように
専門家の手によって技術的な処理を施す作業のことです。

これ以外にも、お客様へのヒアリングや、
修正のご希望を伺ってその指示通りに再び作業をやり直すなど、
相当な作業がこのひとつのサービスの中には含まれています。

このサービスに関わる人たちの時給を計算したら、
ハンバーガーショップの時給よりも安くなってしまうのではと
心配になってしまうほどです。

しかしながら、質を落としたり、サービスに制限を設ければ、
価格をもっと落とすことができるのはたしかです。

もっとたくさんの人にこのサービスを体感してもらいたいと
思っていますので、そうするのもいいのかもしれませんが、
「お客様も制作側も満足するまでやる」ということにこそ、
このサービスの意味があると思っていますので悩むところです。

作曲家・株式会社サウンドジュエルデザイナーズ 代表取締役/青森県出身・横浜市在住/映画音楽、テレビやCMの音楽、歌、舞台音楽など、幅広い色彩の音楽を、繊細な音楽表現で描いています。主な作品は、映画『校庭に東風吹いて』、『ひまわり 沖縄は忘れない あの日の空を』、『アンダンテ 稲の旋律』、テレビアニメ『アスタロッテのおもちゃ!』など。特技は、集中力が長時間持続すること。好きなものは、美しいもの、映画、本、マカロン、チョコレート、高い所。好きな言葉は、「芸術家は弱者の味方である」。ドストエフスキー、太宰治、寺山修司、芥川龍之介、江戸川乱歩、夢野久作などを愛読しています。